Windows (WSL) で、Ubuntu のパスワードが分からない場合の解決方法
Windows で Claude Code を使うために WSL を導入したものの、操作に混乱してしまい、試行錯誤しているうちにパスワードが設定されたようだが、何を設定したか分からなくなった方向けの解決手順です。
前提知識
Ubuntu では以下の2種類のユーザーが存在します:
- root ユーザー:システム全体の管理権限を持つ特別なユーザー
- 通常ユーザー:WSL セットアップ時に作成されたユーザー(通常、あなたの名前)
通常ユーザーとは、WSL セットアップ時に名前とパスワードを設定するユーザーです。これが分からなくなっている状況だと思います。
一方で root ユーザーは設定していなくても存在しており、root ユーザーになることで通常ユーザーのパスワードを変更することができます。
パスワードをリセットする手順
1. root ユーザーとして Ubuntu にアクセス
Windows のコマンドプロンプトまたは PowerShell を開き、以下のコマンドを実行します:
wsl -u root
これで root ユーザーとして Ubuntu にログインできます。
注意: 管理者権限でコマンドプロンプトや PowerShell を開く必要はありません。通常のユーザー権限で実行できます。
2. ユーザー名を調べる
通常ユーザーの名前が分からない場合、以下のコマンドでユーザー名を確認できます:
ls /home
または、より詳細に確認する場合:
cat /etc/passwd | grep /home
出力例:
username:x:1000:1000:,,,:/home/username:/bin/bash
この例では username
が通常ユーザーの名前です。
3. ユーザーのパスワードを変更
以下のコマンドでパスワードを変更します(username
は実際のユーザー名に置き換えてください):
passwd username
新しいパスワードの入力を求められるので、覚えやすいパスワードを設定してください。
4. exit
root ユーザーから抜けます:
exit
5. 再び、ユーザーでログインできるか試す
WSL を起動して、新しく設定したパスワードでログインできるか確認してください。
ダメだった場合
上記の手順でうまくいかない場合は、Ubuntu を再インストールすることをお勧めします。
Claude Code の準備中であれば、まだ重要なデータは保存されていないと思われるため、再インストールしても問題ありません。
Ubuntu 再インストール手順
- PowerShell を管理者権限で開く
- 現在の Ubuntu を削除
wsl --unregister Ubuntu
- 注意: Ubuntu-18.04、Ubuntu-20.04、Ubuntu-22.04 など、具体的なバージョン名でインストールしている場合は、以下のコマンドで確認してから削除してください:
wsl --list
- 表示された正確な名前を使用して削除:
wsl --unregister Ubuntu-22.04
- Microsoft Store から Ubuntu を再インストール
- Microsoft Store を開く
- "Ubuntu" で検索
インストールする
初回セットアップ
- Ubuntu を起動
- 新しいユーザー名とパスワードを設定
- 今度は必ずパスワードをメモしておく
これで新しい Ubuntu 環境が構築され、Claude Code の準備を進めることができます。